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2017年12月10日

桐野夏生の作品のおすすめ人気ランキングTOP3・口コミ・種類【2018年】

日本のみならず、海外にもたくさんいる桐野夏生の多くのコアなファンは、桐野夏生が生み出す作品の何に魅せられているのでしょうか?彼女の作品から滲み出る麻薬に体中が痺れるような感覚に陥る人もいるといいます。そんな桐野夏生作品の魅力をいくつかご紹介します。

桐野夏生の作品のおすすめ人気ランキングTOP3・口コミ・種類【2018年】

桐野夏生の作品の種類と選び方

桐野夏生の作品のおすすめ人気ランキングTOP3・口コミ・種類【2018年】

桐野夏生の作品の種類

今や押しも押されもしない文学界の巨匠のひとりである桐野夏生さんも、昔は「野原野枝実(のばらのえみ)」というペンネームでコミックの原作やジュニア小説を描いていた時期もありました。一時的に「桐野夏子」と名乗っていた時期もあります。そしてそれぞれの名前でたくさんの名作を輩出してきました。

ジュニア小説

『愛のゆくえ』(1984年)
『熱い水のような砂』(1986年)
『真昼のレイン』(1986年)
『夏への扉』(1988年) 
『夢の中のあなた』(1989年)

今や押しも押されもしない文学界の巨匠のひとりである桐野夏生さんも、「野原野枝実(のばらのえみ)」や「桐野夏子」というペンネームを使っていた時期があります。この中の『夏への扉』と『夢の中のあなた』の著者名は桐野夏子となっています。

ロマンス作品

『恋したら危機!』(1989年)
『あいつがフィアンセだ!』(1989年)
『小麦色のメモリー』(1989年)
『トパーズ色のband伝説』(1989年)
『恋したら危機! パート2』(1989年)
『媚薬』(1990年)
『恋したら危機! パート3』(1990年)
『急がないと夏が… プールサイドファンタジー』(1990年)
『セントメリークラブ物語1 セントメリーのお茶会にどうぞ』(1990年)
『セントメリークラブ物語2 銀の指輪は冷たく輝く』(1991年)
『ガベージハウス、ただいま5人』(1991年)
『涙のミルフィーユボーイ』(1992年)
『ルームメイト薫くん 1-3』(1993年)

ロマンス作品に分類されるこれらの作品の著者名はすべて「野原野枝実」となっています。

コミック原作

『カクテル・ストーリーズ』(1989年)
『ハイ・ライフ 上・下』(1992年)
『キアラ』(1992年)
『ボンデージ・ファンタジー』(1993年)
『ワイルド・フラワーズ 上・下』(1993年)
『ロンリー・ハーツ・クラブ』(1995年)
『モンロー伝説 上・下』(1996年)

コミック原作での著者名は「桐野夏生」。活字よりも漫画の方が作品に入りやすいという方にはおすすめです。

小説(探偵ミロシリーズ)

『顔に降りかかる雨』(1993年)
『天使に見捨てられた夜』(1994年)
『水の眠り灰の夢』(1995年)
『ローズガーデン』(2000年)
『ダーク』(2002年)

桐野夏生の小説といえば、ミロの登場する探偵シリーズだけを読んでいるという人もいるくらい、ミロには一定のファンがいます。ミロの魅力を存分味わいたい方にはおすすめです。

小説(一般)

桐野夏生の全盛期の作品の数々となると、やはり一般小説でしょう。どの作品にも桐野夏生作品の魅力が発揮されています。

『ファイアボール・ブルース―逃亡』(1995年)→のち改題『ファイアボール・ブルース』(1998年)
『OUT』(1997年)
『錆びる心』(1997年)
『ジオラマ』(1998年)
『柔らかな頬』(1999年)
『光源』(2000年)
『玉蘭』(2001年3月 )
『ファイアボール・ブルース2』(2001年)
『リアルワールド』(2003年)
『グロテスク』(2003年)
『残虐記』(2004年)
『I'm sorry, mama』(2004年)
『魂萌え!』(2005年)
『冒険の国』(2005年)
『アンボス・ムンドス』(2005年)
『メタボラ』(2007年)
『東京島』(2008年)
『女神記』(2008年) 
『IN』(2009年) 
『ナニカアル』(2010年)
『優しいおとな』(2010)
『ポリティコン』(2011年)
『緑の毒』(2011年)
『ハピネス』(2013年)
『だから荒野』(2013年)
『夜また夜の深い夜』(2014年舎)
『奴隷小説』(2015年)
『抱く女』(2015年)
『バラカ』(2016年)
『猿の見る夢』(2016年)
『デンジャラス』(2017年)

桐野夏生の作品の選び方

桐野夏生の生み出す物語や、桐野夏生が小説の中で使う言葉は万人受けするタイプのものではありません。入り込める人はとことん深く入り込めますし、反対に入り込めない人は最初に読む本が何であれ、拒否反応を示す可能性があります。

そういった意味では何から読んでも同じではありますが、少しでも入りやすさを求めるならば、やはり『OUT』や『グロテスク』など有名になったものから順に選ぶのがおすすめです。少なくとも物語は興味を引く題材から成っていますし、テンポよく話も進行していくので読みやすいです。

桐野夏生の作品のおすすめ人気ランキングTOP3 口コミ

桐野夏生作品は一作一作が緻密な構想で練り上げられています。絶妙な人物描写や時代背景が作品に与える重みや濃さといい、物語の進行のテンポといい、次を読みたいという気持ちにさせられるものばかりです。

作品によって魅力がさまざまなのでランキング形式でおすすめするのは実はとても難しいのですが、ここでは一般的に一定の評価を受けている作品に焦点を当ててご紹介していきます。

おすすめランキング3位:「デンジャラス」

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この著者特有の、(言葉は悪いですが)ちまちまとした人間関係の機微、心理が 淡々と綴られていきます。 大きなドラマがあるわけではないのに、読みだしたらやめられません。 谷崎潤一郎をあらためて読んでみよう、という気にさせられました。

おすすめ第三位は『デンジャラス』です。桐野夏生が日本の代表的な文豪・谷崎潤一郎の人生を描いています。谷崎の第三の妻である松子の妹の重子を語り手として物語が進んでいきます。重子は谷崎潤一郎の名作『細雪』の「雪子」のモデルでもあります。この作品の中では谷崎をはじめ周りの人たちがすべて実名で登場します。

文学史の教科書で『谷崎潤一郎』という名前しか見た事がなかった人にとっては、今まで語られなかった谷崎潤一郎の人となりや私生活を目の当たりにして新たな発見をすることでしょう。谷崎潤一郎についても知りたいという方にはぜひともおすすめです。(おすすめ度★★★☆☆)

おすすめランキング2位:「ハピネス」

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育児をしている中買いました。実際の方がもっとどろどろしていて複雑なのでしょうが、なるほどと思わされます。読みやすい文体でドキドキと前へ進まされ2日で一気に読み終わりました。普段小説は全く読まず何年ぶりかなのですがそういう人にも良い実用書となってくれるでしょう。ラストや面白さで言えば主人公よりも目立っていてキャラの濃いいぶままやみうままを主人公にした物語の方が読んでみたいと思いました。

おすすめ第二位は『ハピネス』です。昨今「マウンティング」や「カースト」という言葉が流行り、学校や職場など社会のあらゆるところで人間をランク付けするような風潮がありますが、これは子育て中の母親たちの間でも例外ではありません。

小さな子供を育てている世のお母さんが読めば、「そういうのわかる」「そういうのあるある」という場面にちょくちょく出くわすでしょう。桐野夏生ファンにとっては、ちょっと物足りないという人も多いようですが、他の桐野夏生作品をあまり読んでいない人にとっては比較的入りやすい作品でおすすめです。(おすすめ度★★★☆☆)

おすすめランキング1位:「out」

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読みだしたらやめられなくて、2日で読み切りました。 平凡な主婦の心の中を考えさせられる作品でした。。

おすすめの第一位は『OUT』です。工場に勤める主人公の雅子は、勤め先の仲間から「とんでもないこと」を相談され、協力しようと「とんでもないこと」をやってのけます。普通なら頼まれてもやらないことを桐野夏生は登場人物にやらせてしまいます。

桐野夏生はこの作品で、平凡なパートのどこにでもいるような主婦達が大きな犯罪に手を染めていくプロセスを克明に描いて評判を呼びました。映画化、英訳もされ米国エドガー賞にノミネートされるなど国内外で大きく評価されました。『グロテスク』『リアルワールド』と共に外国の書店にも並んでいます。

桐野作品をあまり知らない方でも、このあまりに有名な一作は桐野作品を知る上で読むことをおすすめです。(おすすめ度★★★★☆)

特徴・用途別おすすめの桐野夏生の作品

『グロテスク』のような人気作品

桐野夏生の本は読んだことがなく、どんな作品を書く作家なのかを知りたいという方には『グロテスク』や『OUT』などの有名な人気作品を読むのがおすすめです。

グロテスク(上)

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実際の事件をベースにした物語ですが、よくここまで、人間を深く深く掘り下げて書いたものだと思う。 「わたし」「ユリコ」「チャン」「和恵」 という登場人物による、ありのままの語りや手記がまたおそろしい。

グロテスク(下)

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とにかく気分が悪くなる話なのですが、最後まで読みたくて読み進めてしまいました。 ある意味引き込まれてしまうというか。。

この作品は、1997年に慶應義塾大卒のエリート女性が退社後に路上で売春を行っていて殺された実際の事件「東電OL殺人事件」をモチーフにして書かれた小説です。物語に登場する学校や団体名は仮名にこそなっていますが、モデルとなった元の団体を容易に特定できるもので、特定の団体の内情に興味のある方には特におすすめです。(おすすめ度★★★★★)

映画と原作を比較して楽しみたい人には

これまでに映画化された桐野夏生作品といえば、次のようなものがあります。

1999年『 天使に見捨てられた夜』
2001年『 柔らかな頬 』
2002年『 OUT 』
2007年『 魂萌え!』
2010年『東京島』

映画化されると、映画の中の世界と自分が描いていたイメージを比較して、原作とは配役のイメージがちょっと違うなぁというものから、残っているのは骨組みだけでほとんど違う話になってしまっているものまでさまざまです。映画とまた別の話として読むことを楽しむのであれば『魂萌え!』がおすすめです。

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普段の桐野小説とはまったく意趣の異なった小説です。新聞小説だったので、より読み物らしく仕上がっています。59歳で突然夫を亡くした妻、平凡な夫婦だと思っていたその夫に10年来の愛人がいたことが発覚。少ない遺産も子供たちと争う羽目になり…何も知らない専業主婦だった主人公が、これから先の長い人生を一人で生きていく覚悟を決めるまでのお話です。

「あなたの妻でいて幸せでした」というのが、この映画のキャッチフレーズになっていますが、原作は夫婦の愛を中心に描いた作品ではありませんし、また映画の中に出てくる『ひまわり』(1970年公開のイタリア・フランス・ソ連の合作映画)も原作には登場しません。映画とは別物として読むにはおすすめです。

原作は人間の老い行く姿や心情、現実がいろんな人物を通して描かれており、まだ「老い」というものに直面しない人たちが「老い」に対して心の準備をするのに役立つ、人生の教科書、バイブルのような作品です。

楽しい時期を過ぎ「老い」を生きて初めて人生を生きたことになるのではないかと考えさせられるような作品です。あそこで笑っている若者も、ここで遊んでいる子供たちも、みんなが行く道なのだとしみじみしたい人におすすめです。(おすすめ度★★★★☆)

シリーズ系小説

顔に降りかかる雨

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突飛な展開で強引に話を進めるやり方のような荒い部分が文章に見られるものの、暗い過去を背負いながらも表面は猛々しく生きるミロの人物造形は既に完成しており、充分魅力的である。 そして、桐野夏生の力づよい作品の原点は、ここにあるのだとあらためて実感した。

桐野夏生の作品には、探偵の「ミロ」が登場するものがいくつかあります。特に決まりはありませんが、ミロを最初から順を追って楽しみたい方にとっては、次の順序で作品を読むことがおすすめです。

①『顔に降りかかる雨』
②『天使に見捨てられた夜』
③『水の眠り灰の夢』
④『ローズガーデン』
⑤『ダーク』

ミロと、血の繋がらないミロの父親との関係が非常に微妙で大事だからです。二人の関係を①~④の作品でずっと追ってきて⑤の作品を読むと、ミロの人格が破壊したような行動が理解できます。その変化を楽しむ人もいればそれに幻滅する人もいます。あなたはどっちなのか、試してみるのも面白いでしょう。(おすすめ度★★★☆☆)

桐野夏生 エッセイ本

白蛇教異端審問

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掌編小説や書評・映画評も盛り込まれており、美味しそうな幕の内弁当のようにバラエティに富んでいる。読み進めていくうちに、何度も桐野夏生の小説に対する姿勢の貪欲な真摯さに瞠目した。

桐野夏生にしては珍しいエッセイが収められている本があります。『白蛇教異端審問(はくじゃきょういたんしんもん)』です。桐野夏生は実は文句体質だとか、閉所恐怖症ではないが実はトンネルが怖いとか、小説だけでは知りえない桐野夏生さんの私的なエピソードが満載で、他にも短編が収められており、かなりおすすめです。(おすすめ度★★★★☆)

通がハマるおすすめの桐野夏生の作品の3つと代表作品

DARK(上・下)

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韓国の光州事件を間に挟むなど、そのスケールの大きさにはいつもながら驚かされます。桐野さんが相変わらずダイナミックでアグレッシブな作家だということがひしひしと伝わってくる一冊です。

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心の奥に潜む闇を、実際に行動に移してしまう人間を書き続ける桐野夏生に、すっきりとした読後感や登場人物への共感を求めてはいけない。「顔に降りかかる雨」に始まるこのシリーズでも、主人公村野ミオのキャラクターに対する評価には「彼女の行動に共感できない」等という否定的なものも結構あったようだが、著者はそもそもそういう読まれ方をして欲しいとは思っていなかったはずだ。そういう意味で、著者は万人受けする作家ではない。

この作品を読んでいるうちに、自暴自棄、憎悪、裏切り、絶望、破滅、殺意に溢れて思いやり、励まし、温かみの一切ない世界の中に生きているような感覚に陥り、夜柔らかくて温かいベッドで眠る世界がぬるくて馬鹿馬鹿しくなり、ファッションだグルメだと言っているのが恥ずかしくさえなるような、そんな作品です。

こんなおすすめの仕方では、せっかく読む気になった人がいるとしても読む前に嫌気が差してやめてしまいそうですが、すべてを失くすということは言い換えれば完全な自由を手に入れることです。向き合うものは真実だけで、恐れるものがない世界というのは美しく居心地がよいのも事実です。そんな世界を味わいたい方におすすめです。(おすすめ度★★★★★)

メタボラ

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視点や価値観を変えることができれば、人は一気にたくましくなれ、絶望した自分でさえも他人の感覚となり、主体的な満足を得ることは実はものすごく簡単なことではないかと思いました。

次のおすすめ作品は『メタボラ』です。「僕」が夜中にジャングルから逃げているところから話が始まります。「僕」は記憶喪失に陥っていて自分がどこの誰なのかわかりません。出会った人に名前をつけてもらい、持ち物をひとつずつ増やしていって、その日その日を何とか生き延び「磯村ギンジ」として生きるようになります。

やがて磯村ギンジは記憶を取り戻し、なぜ夜中にジャングルから逃げていたのか、記憶を喪失するほどのどんな壮絶な過去を背負っているのかが明らかになります。主人公を「記憶を喪失するほど壮絶な過去の持ち主」と設定すると、よほど壮絶な過去を用意しないと読者は納得しないでしょう。でもそれが書けてしまうところが桐野夏生の素晴らしさです。

この作品にも他の多くの桐野夏生作品と同じく、逃げ道も解決策も提示されていません。しかし現実はドラマみたいなエンディングは用意されていません。そういうリアルさが読者を引きつける魅力の一つでもあります。(おすすめ度★★★☆☆)

水の眠り 灰の夢

水の眠り 灰の夢

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桐野夏生さんが大好きで、すべての作品を持っています。この作品は、もう何十回と読んでいますが飽きることがありません。登場人物の心理描写や、時代の風景が想像できて本当に楽しいです。 読んでいてハラハラドキドキページをめくる指が止まりません。登場人物の心の機微が繊細に表現されていて大好きな作品です。

昭和38年9月5日、『週刊ダンロン』のトップ屋村野が地下鉄銀座線に乗り合わせるシーンから始まります。その後村野は、実在の人物『草加次郎』が引き起こしたと思われる『営団地下鉄銀座線爆破事件』に遭遇し、こうして実際に起きた事件と平行して物語は進んでいきます。

地下鉄の爆破事件の直後の社内の様子、ホームの様子から始まり、世相、人々の生活、流行、当時の東京がどんな状態で地下鉄の何線に乗れば何分かかるか、食道でラーメン一杯食べるといくらなのか、と言った時代描写が素晴らしく、桐野夏生の時代考証能力に度肝を抜くでしょう。こういった細かい描写が作品全体に重量感を与えています。

この作品の中での「ミロ」の登場の仕方は、桐野夏生作品の構想が壮大であることが思い知らされます。(おすすめ度★★★★☆)

その他ぜひ読んでほしいおすすめ作品

ご紹介した作品以外にも五つ星のおすすめ作品があります。機会があればぜひお試しください。

『玉欄』(おすすめ度★★★★★)
『ファイヤーボールブルース2』(おすすめ度★★★★★)

桐野夏生の作品の楽しみ方

桐野作品を読んだことがない方には

桐野夏生が生み出す作品には棘やら悪意があちらこちらに散りばめられており、何の穢れもない純粋な人が何かのきっかけでたまたま読むと、ショックを受けたり不快感を示したりすることもあります。前述しましたが、桐野夏生は万人受けする小説家ではありません。

初めて読む人は、その点を心して読むことがおすすめです。恐る恐る読んだ人でも、ハマる人はハマります。棘やら悪意があなたのサディスティックな本能を刺激すれば、それは快感へと変わり、桐野夏生の世界に酔うこともあるでしょう。

いったん桐野夏生ワールドに足を踏み入れたらどこから桐野夏生の発想は生まれるのか、桐野夏生とはどういう人生を歩んできた人なのか、今どういう生活をしている人なのか、知りたくてたまらなくなります。

桐野夏生ファンの方には

ファンの方ならご存知のことでしょうが、桐野夏生さんは作品の中で「まさかそこまでやらないよね」と多くの人が想像する線を軽く飛び越え、登場人物の姿を借りてやってのけてしまう作家です。

「桐野さん、まだ行きますか」と心の中で叫びながら、桐野夏生さんと鬼ごっこでもしているように、追いついたと思ったらまた引き離されそうな感覚を味わうのも桐野夏生作品の楽しみ方のひとつです。桐野夏生さんとの鬼ごっこ、おすすめです。

予想を裏切って期待を裏切らない桐野作品

桐野夏生作品の中には犯罪が起きるものもあるし実際の犯罪を絡めたものもありますが、すべてがそうではありません。いわゆる「犯人探し」のようなもので読者を引きつける作品は何一つありません。

この世のダークサイドばかり書いているようでもダークサイドが書けるということは、愛や希望に溢れた明るい世界を知っているからということに他なりません。愛情に溢れた世界を知らない人は、息子の嫁の生活を気の毒に思い、嫁の軽自動車のシートが菓子クズだらけだったのを思い出して切ない気持ちになるなど書けないでしょう。

ダークであり愛情深いそんな両面を備えた作家だからこそ、桐野夏生作品は他に類を見ないほどの圧倒的強さを持っているのだと言えます。

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